我が家を困られた贈り物(1)
年末である。
この時期、お歳暮を頂いた方も多いはず。
また、贈る側としては、何にするやら出費がかさむやらで、頭の痛いところ。
日頃の感謝の気持ちや労の労いを、言葉や行動で表さず、モノでどうにか誤魔化そう的な感じがしてヤなんだけど、日本の古くからの習慣。
ま、この習慣がなくなると、第一次産業やデパート、配送業なんかが儲けそこなうから、経済が回らない~(笑)
で、本題。
我が家を困らせた贈り物。
一番はコレ!!
『松坂屋の商品券』
一見、えっ!?いいじゃん!!
と、思った方もいるだろうが、コレが我が家を悩ませた。
あれは、バブル時代の年の暮れ。
A4ぐらいの大きさの箱が届いた。
厚みは10cmもなかったか。
軽い・薄い・音がしない。
期待薄な三要素を見事に醸し出す箱。
包装紙に「MATSUZAKAYA」の文字。
家長の父が開ける。
で、一言。
『なんやこれ???』
出てきたのは、松坂屋の商品券。
しかも、けっこうな金額!!
で、ここからが困ったちゃん。
当時、私は家族と岐阜県の田舎町で同居。
両親は都会とは無縁の生活。
当然、松坂屋なんて行ったことがない。
父:なんやこれ???
母:商品券って書いたる。
父:どこの~?
母:松坂屋やて。
父:松坂屋?どこにあるんや、それ?
母:岐阜市にあるんやない?
私:あれは、高島屋!!名古屋にあるわ。
父:は?名古屋?電車賃、えれ~かかるわ。
母:名古屋のどこ~?
父:ほんなもんお前、名古屋みてぇ~わっからせんぞ。
お前、知っとるか?
私:知らん。
母:ほんで、松坂屋って、何売っとるの?
父:ほんなもんお前、デパートやで、何でもあるわ。
母:で、何買うの?
父:ほんなもんお前、欲しいモン買やええやないか。
母:欲しいモンって、何売っとるかもわからへんのに。
父:ほんなもんお前、行きゃわかるやろ~。
母:行けって、どこにあるの?松坂屋。
こんな会話を繰り返した挙句、その後、何が欲しいだとか、誰が行くだとか、全員集合で家族会議を行った結果、話はまとまらず、結論を出せず・・・。
時は流れ。
あの商品券は、一体どうなったか?
誰も知らない!!
一家最大の謎となった!!
最後に。
あの時、父が言った言葉が忘れられない。